地下銀行はなぜ悪い?どこにあるのか?

地下銀行は、伝統的な銀行システムを通さずに秘密裏に行われる金融取引です。

地下銀行を利用した送金は、地下送金と呼ばれることもあります。

地下銀行の取引は規制の目を逃れ、しばしば不正資金の移動に利用されます。

その匿名性とアクセスの容易さが、犯罪者にとって魅力的な選択肢となっています。

日本で、地下銀行を営んだ者に対しては、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこれらが併科されます(銀行法4条、61条1項)。

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地下銀行はなぜ悪いのか?

地下銀行の利用がなぜ悪いのか、いくつか理由があります。

  1. マネーロンダリング: 地下銀行は、犯罪からの収益を合法化するマネーロンダリングの手段としてしばしば利用されます。これにより、麻薬取引、人身売買、兵器取引などの犯罪資金が洗浄され、犯罪組織の活動資金となります。
  2. 経済システムへの影響: 地下銀行による非公式な資金の流れは、国の経済政策や金融システムの安定に影響を与えます。規制された銀行システムを通さないため、国家の経済状況や金融市場に歪みを生じさせる可能性があります。
  3. テロ資金供与のリスク: 地下銀行はテロリストによる資金の移動や資金供与の手段としても利用され、国際的なテロ活動を助長する可能性があります。
  4. 利用者のリスク: 地下銀行は正式な保護や保障がないため、利用者が詐欺や盗難のリスクにさらされます。また、法的なトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

地下銀行は、不法滞在者等が犯罪収益等を海外に送金するために利用されており、近年は、送金依頼を受けた資金で中古重機や農機具等を購入し、正規の貿易を装って輸出して現地で換金するなど手口が巧妙化している。

警視庁より

なぜ地下銀行は存在するのか?

地下銀行が存在する理由は、銀行送金と比較して利用者に大きなメリットがあるからです。

  1. 規制の厳格化への反発: 正規の金融機関による規制や監視の強化に対する反発が、地下銀行の需要を生み出しています。
  2. 手軽な国際送金: 伝統的な銀行よりも迅速かつ手軽に国際送金ができるため、特に発展途上国や規制が厳しい国の市民にとって魅力的な選択肢となっています。
  3. 高い送金コストの回避: 正規の金融チャンネルを利用すると高額な手数料が発生することから、低コストで資金を移動させるための代替手段として地下銀行が利用されます。

地下銀行は、正規手続きより手数料が安かったり、指定先にカネが届くまで正規手続きでは1週間ほどかかるケースでも即日対応が可能だったりするというメリットもある。運営そのものも、本国に一定の保管金などがあるなど「多少の準備をすれば誰でも可能」(捜査関係者)という。

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伝統的な送金方法として、「Hawala(ハワラ)」や「CUBS(中国地下銀行)」が存在します。

地下銀行はどこにあるのか?

地下銀行の運営に特定の場所はありません。

昔は、新大久保など在日外国人が集まる場所で「地下銀行」がらみの事件が頻発していました。

現在は、スマホの普及などもあり、在日外国人のオンラインコミュニティの中で密かに行われているようです。

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対策と課題

地下銀行の問題に対処するためには、国際協力と情報共有、技術の活用、法規制の強化が必要です。

また、途上国での金融サービスの普及促進や、正規の銀行サービスの手数料削減も重要な対策となります。

地下銀行は、国際的な金融秩序や安全保障にとって深刻な脅威になっています。

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