海外送金(国際送金)とは? 手数料がかかる仕組み、サービスの選び方を解説

海外送金(国際送金)は、高度に発達した国際金融ネットワークを通じて行われ、送金者と受取人間で資金が安全かつ迅速に移動する事が出来ます。

送金方法は多様で、伝統的な銀行の窓口やオンラインバンキング、スマートフォンアプリ、そして専門の送金サービス業者などが利用されます。

目次

海外送金(国際送金)とは?

海外送金(国際送金)は、国境を越えて異なる国や地域間でお金を送ったり受け取ったりする事です。ビジネス取引、海外通販の支払い、国外に住む家族や友人への支援、学費や生活費の送金、海外不動産購入の支払いなど、多様な目的で利用されています。

従来は銀行を通じた送金が主流でしたが、最近ではWiseやPayPalなどのオンラインサービスやアプリが普及しています。

銀行を利用する場合、通常、自分の銀行口座から受取人の銀行口座へ資金を移動させます。しかし、銀行の海外送金は手数料が高めで時間もかかることがしばしばです。一方、オンラインサービスを使用すれば、低い手数料で速やかに送金できる可能性があります。

しかし、これらのサービスは便利ですが、詐欺や不正アクセスといったセキュリティリスクも考慮する必要があります。送金方法を選ぶ際には、目的、頻度、金額、送金先の国などに基づき最適な方法を選択することが重要です。

また、海外送金にあたっては、送金先の国の法律や規制、税制についても理解しておく必要があります。

なぜ海外送金には手数料がかかるのか?

海外送金には、さまざまな手数料が発生します。これは金融機関や民間系サービスを利用する際に避けられないものです。具体的に、どのような手数料があり、なぜこれらが必要なのかを解説します。

まず、金融機関を通じて海外送金を行う場合、送金銀行、中継銀行、受取銀行、それぞれで手数料が発生します。これらの手数料は以下のような理由によります。

  1. 送金銀行の手数料:送金を行う銀行は、トランザクションの処理、送金指示の確認、資金の引き出しや送金処理にかかる運営コストなどのために手数料を徴収します。
  2. 中継銀行の手数料:海外送金は、しばしば複数の銀行を経由します。これらの中継銀行は、資金を一時的に保管し、次の銀行への転送を行うため、このサービスに対して手数料を請求します。
  3. 受取銀行の手数料:受け取り側の銀行も、入金の確認や資金の口座への振り込みに関わる手数料を徴収することがあります。

さらに、送金額に基づいた割合で手数料が設定されることが一般的ですが、固定手数料を設定する場合もあります。また、送金する通貨や受取国によっても手数料の額や構造が異なることがあります。

民間の送金サービスを利用する場合も同様に手数料がかかりますが、通常は銀行よりも低い手数料で送金が可能です。ただし、これらのサービスは独自の料金体系を持ち、送金速度や送金先の国に応じて料金が変わることもあります。

海外送金にかかる手数料は、資金の安全な移動を確保し、複雑な国際的な金融インフラの維持管理に必要なコストをカバーするために重要です。

国際銀行間ネットワーク「SWIFT(スイフト / スウィフト)」とは?

SWIFTは、Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunicationの略で、安全なネットワークを提供する非営利法人であり、国際銀行間の送金や決済に利用されます。日本ではスイフト(スウィフト)または国際銀行間通信協会と呼ばれています。

このSWIFTを通じた送金では、送金銀行と受取銀行をつなぐ中継銀行がコルレス銀行と呼ばれ、日本の銀行が海外に送金する際には、日本の送金銀行と海外の受取銀行の間で「コルレス契約(Correspondent Agreement)」が必要です。この契約がないと、直接送金することができません。

一方、「海外送金サービス会社」とは、その名の通り、海外送金に特化した民間系のサービスを提供する会社です。

従来の銀行に比べて手続きが簡単であり、スマートフォンでも送金が可能です。

要するに、海外送金サービス会社は、世界中に自社の口座を持っており、その独自の送金ネットワークを使用することで、送金プロセスを簡素化し、手数料も最低限に抑えることができるのです。

海外送金(国際送金)の方法

銀行送金(SWIFTを利用)

伝統的な銀行送金は、SWIFT(国際銀行間金融通信協会)ネットワークを利用しています。銀行を通じて送金する方法で、国際間の送金に幅広く使われています。この方法の手続きはやや煩雑で、送金手数料や為替レートの変動に注意する必要があります。特に、大きな金額の送金や複雑な取引に適しています。

フィンテックサービス(Wise、Revolutなど)

Wise(旧TransferWise)、Revolutなどのフィンテック企業は、透明性の高い低コストの送金サービスを提供しています。これらのサービスは、市場の実勢に近い為替レートを提供し、従来の銀行よりも手数料を抑える傾向にあります。利便性が高く、小額の個人間送金や頻繁な送金に適しています。

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オンラインペイメントプラットフォーム(PayPal、Skrillなど)

PayPalやSkrillなどのオンライン決済プラットフォームも海外送金に使用されます。これらは利用が簡単で便利ですが、手数料や為替レートの影響を受けやすいので注意が必要です。一般的には小額の個人取引やオンラインでの購買に適しています。

暗号通貨を使用した送金

ビットコインなどの暗号通貨を使用しての国際送金も可能です。この方法は迅速であり、時には低コストで行えますが、価格の高い変動性やセキュリティリスクを理解する必要があります。技術に精通したユーザーやブロックチェーン技術を活用したいユーザーに適しています。

独立資金移動サービス

独立した資金移動サービスを利用することも一つの方法です。これらのサービスは制限が少なく、匿名性が高い資金移動を可能にします。ただし、国によっては違法である可能性があり、利用には注意が必要です。

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海外送金(国際送金)の完了までにかかる日数や時間

海外送金(国際送金)が完了するまでの日数や所要時間は、使用する送金方法やサービスによって異なります。一般的に考えられる時間枠を以下に記載しています。

  1. 銀行送金(SWIFTを利用):銀行を介した伝統的な送金方法では、送金が完了するまでに数日から1週間程度かかることが一般的です。中継銀行を経由する場合や、送金先の国の銀行システムによっては、さらに時間がかかる場合があります。
  2. オンライン送金サービス(Wise, PayPal等):オンラインの送金サービスは、一般的に銀行送金よりも迅速です。多くの場合、送金は数分から数日以内に完了します。サービスプロバイダによっては、即時に近い送金が可能な場合もあります。
  3. 暗号資産を使用した送金:ビットコインなどの暗号資産を利用した送金は、非常に迅速に処理されることがあります。通常は数分から数時間以内に送金が完了しますが、ネットワークの混雑状況によっては遅れることもあります。
  4. 独立資金移動サービス:これらのサービスの処理速度は大きく異なりますが、多くの場合、数日以内に送金が完了します。

重要なのは、送金の速度だけでなく、手数料、為替レート、セキュリティ、送金先の国の法的要件なども考慮することです。

また、特定の国や地域への送金には特別な規制がある場合があり、これが所要時間に影響を与えることがあります。具体的な所要時間については、使用するサービスプロバイダに確認することをお勧めします。

安全に海外送金を行うには

海外に送金する際は、いくつかの重要なステップを踏むことが必要です。まず、送金情報の正確さを確認することが大切です。特に、高額を送金する場合には、送金先や送金内容について電話など直接的なコミュニケーションをとることが重要です。

オンラインサービスを利用する際には、安全性のために公式サイトや公式アプリを使うことが勧められます。第三者のサイトやリンクからのログインは、セキュリティリスクが高まるため避けるべきです。また、アカウントのセキュリティを高めるためには、複雑なパスワードの設定や2段階認証を導入することも有効です。

個人情報の管理にも注意を払い、信頼できる人や機関以外には共有しないようにしましょう。そして、送金サービスの評判や信頼性を事前に調査し、信頼できるプロバイダを選ぶことも大切です。

これらの手順を踏むことで、海外送金を安全に行うことができます。

まとめ

海外送金は、世界中で行われる国際ビジネスや個人取引を支える重要な役割を担っています。

適切な送金方法と信頼できる提供者の選定は、送金のコストや効率に大きく影響します。

最良の送金手段を選ぶ際には、手数料や為替レート、安全性などを包括的に検討し、信頼性が高いサービスプロバイダを選択することが重要です。

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