海外送金は課税対象外?消費税との関係と例外をわかりやすく解説

結論からお伝えすると、海外送金は課税対象外であり、手数料にも消費税等は発生しません。

しかし、送金の目的(贈与等)、受取の目的(所得)によっては発生し、税務署への申告義務が発生します。申告義務を無視すると有名な「お尋ね」の対象となります。

それらのリスクをあなたが回避できるように、簡潔にわかりやすく説明します。

海外送金は、国際間で資金を移動させる手段として一般的に利用されています。

海外送金には、銀行等の金融機関を利用する方法、ウェスタンユニオン等の資金移動業者を利用する方法の2つの方法が存在します。

それぞれの詳細や仕組みに関しては、重複になるのでこの記事では省きます。

目次

海外送金に税金はかかる?

海外送金するのに、消費税が発生したらかなりのコストになりますね。

ここからは、海外送金における消費税について説明していきます。

結論:海外送金は消費税の対象外

銀行や海外送金サービスなどの公式サイトに、海外送金手数料は非課税の旨が明記されています。

消費税は日本国内で発生する取引に課せられる税金です。

海外送金は国外とのやり取りが絡むとはいえ、手続き自体は日本国内で行います。それなのに、なぜ消費税が発生しないのでしょうか。

日本国内の消費税法は、基本通達の第6章で、非課税となる取引の範囲を定めています。そのうち第5節で「国等の手数料及び外国為替業務等関係」について述べられています。この条文内で、外国為替取引は消費税の課税対象外と明確に記載されているのです。

なので、海外送金の手数料は消費税の対象外となります。

税金はないが、手数料はかかる

海外送金を行う際に、銀行、又は民間系サービスを利用する事になりますが、それぞれ送金手数料又は為替レート(上乗せされたレート)は発生します。

受け取りには、手数料は何もかからないので、ご安心ください。

別の記事で解説しています。

申告・納税義務が発生するケース

海外送金が課税の対象になるかどうかは、送金の目的(所得、贈与)や金額、取引国、居住国(居住者、非居住者)によって異なります。

送金を行う前に、対象国の税制や関連する法律を確認することが重要です。

例えば日本だと、個人間の贈与や寄付の場合、100万円以上の場合に贈与税や所得税の対象になる可能性があります。また、ビジネス目的で送金を行う場合には、その収益が所得税の対象になることも考えられます。

日本の前提ルール

■100万円以上の海外送金取引は、資金移動業者・金融機関から国外送金等調書が作成され、税務署に報告される。

■日本居住者は原則として、日本国内の所得だけでなく国外における所得も課税対象となり、確定申告が必要。

■100万円以上の贈与・寄付には贈与税の対象となり、受け取り側は確定申告が必要。

海外⇒日本での受取

日本に住んでいる場合で、海外からの送金の目的が、自身の所得又は贈与(100万円以上)となる場合、確定申告の義務が発生します。

日本⇒海外への送金

あなたに申告義務はありません。

100万円以上の場合、海外送金時に金融機関から国外送金等調書が作成され、税務署に報告されます。

申告をしないと「お尋ね」 罰金と利息負担が

日本に限らず、多くの国では、送金業者は顧客の送金情報を税務当局に提供する義務を負っています。これにより、大きな送金が行われた場合、税務当局はその情報を元に課税の対象を検討することがあります。

日本居住者で申告義務を無視すると有名な「お尋ね」の対象となります。

「お尋ね」とは

海外送金等に関する「お尋ね」とは、法的拘束力のない税務署に対する協力のお願いで、申告漏れを把握するための質問状のことです。

税務署は、国外送金をマネーロンダリングや脱税の温床として、銀行、資金移動業者や郵便局を通じて常に監視しており、少しでも疑いの余地があれば税務署が「お尋ね」を送って不正が行われていないかを調査しています。

「お尋ね」への回答は、法的にはあくまでも「任意」として扱われていますが、回答をしないと税務署から「不正の疑い」と目を付けられて必要以上に疑われ、税務調査に発展する可能性があります。

また、不適切な回答をすると「無申告加算税」や「延滞税」など必要以上の税金を納める事になり注意が必要です。

「お尋ね」を回避するには

基本的に、申告義務がある場合は申告し、納税する事です。

100万円以上の海外送金取引は、税務署に全て報告されています。

もし「お尋ね」が届いた場合には、恐れず、慌てずに、税務署に自分で連絡する前に、税理士に相談してください。

最後に

海外送金での消費税税の免除、申告・納税対象となるケースについて解説しました。

海外送金によって受け取った金銭だからといって、消費税は発生しません。

そして、必ずしも確定申告と納税が必要なわけではありません。送金の目的(所得や贈与なのか)に応じて判断する必要があります。

ただし、100万円相当以上の金額を海外送金で受け取る場合、金融機関・資金移動業者から国外送金等調書が作成され税務署に報告が行われるため、確定申告が必要な場合には適切に対応する必要があります。

もし既に海外で納税手続きを済ませている場合、外国税額控除制度を活用することで二重課税を回避することができます。

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